妊娠31週目は、妊娠8ヶ月の最終週です。赤ちゃんの顔もしっかりしてきて、超音波検査でパパさん似かママさん似かがわかるかもしれません。また、ママさんのカラダにもさまざまな変化が。
マイナートラブルも起こりがちですので、適度に運動をしながらゆったりとしたペースで生活しましよう。
妊娠31週のママの状態
見た目としても、お腹が大きく前にせり出してきたことでしよう。成長した子宮に圧迫されたり、ママさんの体内の血液量がピークを迎えたりすることで、起きるトラブルも多くあります。
血液量がピークになるこの頃、動悸や息切れも
妊娠中はたくさんの血液が必要になります。循環する血液の量がこの時期にピークを迎え、妊娠していない頃のおよそ1 .5倍になります。心臓の負担が多く、動悸が出る人、鼻血が出やすくなる人もいます。
子宮が大きくなって肺が圧迫されることで、息苦しい・呼吸がしづらいと感じることも。
むくみが…
血液量を増やすために、ママの血液の水分量が増えています。皮膚の下に水分がたまってくると、むくみの症状があらわれるのです。むくんで外せなくなる前に、結婚指輪は外しておくといいでしょう。
また、むくみによって神経が圧迫されて、 しびれが出ることもあります。一時的なものなので、軽度であれば心配はいりません。
静脈瘤ができやすい
静脈瘤というのは、ふくらはぎや膝の裏の血管が浮き出てくる状態のこと。子宮が大きくなって、血液循環が悪くなると起こります。
特に、長時間立ちつばなしでいることや、急激な体重増加などによって悪化しやすいので要注意。
こむらがえりが頻繁に起こるケースも
妊娠中期からなりやすい「こむらがえり」(足がつる状態)ですが、血流が悪くなることやカルシウム不足、冷えなどが原因だと言われています。妊娠後期になると回数が増えることも多いです。
こむらがえりになったら、まずは筋肉を伸ばして症状を落ち着かせた後、温めたりマッサージをしたりするといいでしょう。
おりものが増加
妊娠中はホルモンの影響を受けておりものが出やすいですが、妊娠8ヶ月頃から量が増えてきます。なるべく清潔にしましょう。
かゆみを伴う場合や、色が黄色い、ポロポロした白いおりものが出た場合には医師に相談を。カンジダ腟炎をはじめとする何かしらの病気にかかっている可能性もあります。
妊娠31週の赤ちゃんの状態
この頃になると、赤ちゃんの体重は1300~ 1900g前後になります。
表情が豊かになる
皮下脂肪が増えて見た目も丸みを帯びてきます。あくびをしたり、ロ・鼻を動かしたりするなど、表情が豊かに。指しゃぶりもして手足を器用に動かしていますよ。
まだ目はあまり見えていませんが、光は感じています。超音波写真で赤ちゃんのかわいらしい表情やポーズが見られるかもしれません。
性別の判断がしやすくなる
男の子に比べて性別の判断がしづらい女の子。この時期は、女の子の外性器が見えやすい時期だと言われています。これまで性別が判明しなかった人も、そろそろわかるかもしれません。
羊水の量が増えなくなる
羊水の量は妊娠8ヶ月頃に最も多くなり、それ以降は徐々に減っていきます。羊水の中を自由に動き回っていた頃とは異なり、だんだんと以前より赤ちゃんも窮屈になってきているでしよう。
また、お腹のなかでの位置が安定してきて、正常位(頭を下にした状態)に落ち着く赤ちゃんが多いです。
妊娠31週にやっておきたいこと・気をつけたいこと
血液の循環量の増加や、大きな子宮に圧迫されることで、マイナートラブルが起きやすくなります。また、リスクの高い妊娠高血圧症候群にも注意しましよう。
母子ともに危険のある妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、日本産婦人科学会によると妊婦さんの20人に1人程度の割合で起きるといわれており、妊娠20週以降から、産後12週に高血圧になる病のこと。
尿たんばくが出ることがよくあります。体重が急激に増えたり、むくみがひどかったりする場合には妊娠高血圧症候群の可能性がありますので、医師に相談しましょう。妊娠高血圧症候群が重症化すると、母体に脳出血や肝臓・腎臓の機能障害などが起きることがあります。
赤ちゃんが通常の発育に比べて明らかに小さい、元気がない胎児発育不全、本来赤ちゃんが産まれた後にはがれるはずの胎盤が先にはがれてしまうという常位胎盤早期剥離、
ママがけいれん発作を起こし意識を失う子癇、などを引き起こすことも。
このようにママやお腹の赤ちゃんの命に危険が及ぶこともあるのです。
妊娠高血圧症候群の原因は明らかになっていません
- 糖尿病や高血圧などの持病がある
- 肥満
- 40歳以上
- 多胎妊娠
- 初産婦
このような条件でリスクが上がるので、該当する人は特に注意しましょう。
なお、長らく「塩分を控えたほうがいい」と言われてきましたが、過度な塩分の制限はよくないという見方もあります。自己判断で食事制限をするのではなく、必ず医師に相談してからにしましょう。
カルシウムを積極的に摂取して
日本人は、元々カルシウムが不足しがちです。また、妊娠中はお腹で赤ちゃんを育てるためにカルシウムが多く必要になります。
カルシウムを摂ることで、こむらがえりや静脈瘤に効果があるともいわれており、積極的に摂取したい栄養素の一つです。ビタミンD、マグネシウムと一緒に摂ることで、よりカルシウムの吸収を助けます。
おわりに
子宮が大きくなることで圧迫されて血液循環が悪くなり、さまざまなマイナートラブルが発生しやすくなります。制限されている場合は別として、普段から体操やストレッチなどの軽い運動をするようにしましよう。お風呂やシャワーでカラダをあたためることや、バランスの良い食事を摂ることも大切です。
健康的な生活を送ることで、ママのカラダもお腹の赤ちゃんも元気になります。ぜひトラブルは最小限に留めましよう。
コメント